お寺を訪ねて〝ホームページ版〟

 学校が終わると小学生が、「ただいま」とランドセルを背負って帰ってくる。 玄関を入ると正面にお仏壇がある。バドミントン・コートの引ける 16 m×8mの本格的な体育室がある。インターネットのできるパソコン室、楽器の練習ができる防音室がある。図書室、創作活動室、子育て支援相談室、ボランティア室、交流スペースと様々な用途に応えられる建物が、正隆寺(波佐間正順住職)に隣接して今年〔平成13年〕4月、完成した。

 同寺敷地内にある「吉則保育園」(波佐間正順園長)を設置する「社会福祉法人吉則保育園」(吉野茂理事長)が、学童保育用の園舎として設立した中型児童館「児童センター美祢」である。 

 このたびの「お寺を訪ねて」では、その館長として、また多くの役職を抱え多忙な毎日を送る、波佐間正巳前住職を訪ねた。 

 本山特派布教使として1ヶ月、南米開教区約20会所で布教され帰国して2日後にもかかわらず、丁寧に整理された資料、写真を見せていただいた。「ブラジルでは、太陽が北から照る。」「時差はちょうど12時間、時計をずらさなくていい。」「言葉の壁で若い世代にお念仏が伝わらなくなっている。」と児童センターの玄関右の事務室でお話しを聞いていると、小学生が、次々と「ただいま」と言って玄関を入ってきた。両親が仕事で家に帰っても一人で過ごさなくてはならない学童保育の子どもたちである。一年生から三年生まで約30名の子どもたちが、保育園の保育士でもある指導員の先生たちと、夕方迎えのあるまでの時間を、楽しく過ごしていた。

 学童保育の小学生は、毎日であるが、その他の小中学生の一般利用も、毎週土曜と第4日曜にできるようになっている。陶芸教室、体操教室、写真教室なども、随時開かれて、たくさんの利用があるそうだ。 

  また、日曜学校の子どもたちにとっても、雨天の時に外で遊べなくて困っていたが、体育室でゲームをしたり、バレーをすることができて、とても喜んでいるそうである。ボーイスカウトが倉庫を持っていて毎回例会を行ったり、キャンプの訓練をしたり、仏壮が毎月雅楽の練習をしたりと、様々な形で各種団体、グループが利用できるセンターでもある。

  波佐間正己師は「61年前始まった戦争がもっと続いていたなら、職業軍人の道を歩んでいた私は、早く死んでいただろう。今日の平和のお陰で長生きさせて頂いたので、何かお返しがしたいという思いから、この計画を立てました。」と語られ、また「龍谷大学時代に宗教教育部に所属し、京都の寺院の日曜学校や、ボーイスカウトのお手伝いをしていましたが、その頃からずっと同じことをしているようだ。」とも語られた。 

  そのお言葉には、常に初心を忘れず、多様な形での伝道活動に取り組まれている師のお姿が偲ばれ、ありがたく頭の下がる思いでした。