お寺を訪ねて〝ホームページ版〟

仏青の力でお念仏の輪を広げよう

 由宇温泉の東に位置する法樹寺(難波隆成住職)の寺報の最上部に、毎号書かれている言葉だ。

 法樹寺・寺報は、昭和54年に創刊され、今年の8月で75号の発行となった。その編集作業の全てを行なっているのが、仏青・仏壮会員による「寺報編集委員会」だ。編集委員会は現在12名で構成され、三十代から五十代にかけての若い方々で運営されている。 

 創刊のきっかけは、同年結成された法樹寺仏教青年団の活動の一環として、寺と御門徒の橋渡しをしたいという思いから、寺報を発行することになったという。

 創刊当初から編集に携われた方は、「お寺は葬式と法事だけをする所ではなく、もっと気軽に来れる所だということを、門徒みんなに知ってもらいたかった」と懐かしそうに語られた。 

 現在の寺報の内容は、法座聴聞の感想、各教化団体の活動報告、組や教区活動へ参加しての感想など、充実したものとなっている。特筆すべきは、それらの記事が、参詣・参加された御門徒によって書かれていることだ。住職が執筆するのは年一回の新春法話のみで、それ以外は記事の依頼・執筆から編集まで全て御門徒の手で作られている。

 「法座や行事などに参られた御門徒の生の声、心情というものが、その記事を読む方々に無理なく受け入れられ、共感を生んでいるようです。」と住職が話されるように、紙面最初に書かれる聴聞記を執筆される西濱寛編集長の記事は、お聴聞の感想を率直に分かりやすく書かれた、とても読みやすいものとなっている。 

 その西濱編集長から、編集にあたっての感想を話してもらった。「これまで特に苦労をしたという思いはありません。創刊当初は発行までに数回に渡る編集会議をしていたそうですが、二十年間ご尽力下さった 先輩方のおかげで、寺報が門徒の間に定着し、今では依頼せずとも原稿が集まり、編集会議も一回で済みます。」 

 とはいえ、苦労が皆無だったかと言うとそうでもない。他の編集委員から「経費は全て仏青・仏壮・仏婦の会費で賄っているので、特集号等で紙面が増えた時は大変だった。」とか、「執筆が苦手なので、記事を書かされるのなら行事に参加しないという人もあった」など、振り返ってみれば幾多の苦労があったようだ。しかし、それらの困難を、持ち前の実行力・結束力で乗り越えて、現在に至っておられる。

 編集会議の後は必ず親睦会が開かれるそうだ。委員の一人は、「編集・発行の喜びも大きいが、こうして年齢も職業も全く違う人間が集まって、ワイワイと話ができることが素晴らしい。親睦会の席は、この上ない人生勉強の場となっている。皆それぞれに様々な経験があり、持論を持っているが、これまで一度も喧嘩になったことがない。それは場をまとめて下さる住職の人柄 のおかげであり、何よりも私達は親鸞聖人のみ教え、阿弥陀様を中心に集まっているからだと思う。」と、しみじみと語られた。  

 編集委員でもある仏青会長は、「会に若い人が少なくなってきた。活動を継続してゆくためには、引き継いでゆく若い人の参加がないと」と憂慮されていた。これは教団全体が抱えている問題ではあるが、法樹寺寺報編集委員会においては杞憂に終るだろうと感じた。何故なら、筆者自身が親睦会に同席して、お念仏の香る和やかな雰囲気と、教化伝道への熱い思いに魅了されっぱなしだったからだ。